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【業界のタブー】まだ誰も触れていない介護施設の給食業務委託費の真実を紐解く

    介護施設を運営されている皆さん、もしくはこれから運営を計画されている皆さん
    こんにちは。

    介護施設で一番経費がかかっているけど、でもよくわからないのが食事ですよね。
    直営でやるのは大変そうだし、すぐ赤字になると聞くけど…。
    委託にするといっても、いろんな業者がたくさんあるから何を基準に選べばよいのかわからない。
    そもそも委託費ってどうして業者によってあんなに差があるのだろう…。

    今日は皆さんのその疑問を、解説しちゃいます。

    詳しく説明しますのでネタバレしすぎて削除されてしまうかもしれませんが、その場合は、ご了承ください。

    委託費と食材費

    委託業者の出す見積りには、業務委託費の見積りと食材費の見積りがあり
    2枚1セットでの、給食業務委託見積書となります。

    ※見積書はイメージです。

    見積書の詳細のご説明

    まずは、見積書の詳細をご説明します。

    ・人件費
    現場に派遣する栄養士や調理師、パート・アルバイトの給与です。
    正社員が多ければその分人件費は高くなります。
    また、従業員の総人数によって法定福利費や交通費に違いが出ますし
    1日の出勤人数が多ければ、その分人件費も多くかかります。

    ・法定福利費
    社会保険料・労働保険料のうち、企業が負担する費用です。
    法定福利費も正社員が多ければその分多く支払わなければなりません。
    法定福利費には福利厚生費も含まれており、従業員の健康診断費用やインフルエンザ等の予防接種なども月額で含まれています。

    ・旅費交通費
    派遣された従業員の通勤交通費です。自宅から近いと交通費は必要ない場合が多いですが、徒歩や自転車などで通えない距離の場合、車や公共交通機関での通勤となりますので、ガソリン代や切符代として交通費を支払います。
    また、管理者やエリアマネージャーなどが、ほかの事業所に行く場合にもかかる費用です。
    (弊社の場合は、勤務先が自宅から2km以上になると交通費支給の対象になります。)

    ・保健衛生費
    厨房内で着るユニホームは、自宅で洗濯すると感染症のリスクを伴うため契約しているクリーニング店にお願いすることが多く、ユニホームのクリーニングにかかる費用になります。
    また、食品を取り扱う仕事ですから、毎月検便を提出し問題がないことを確認するために必要な費用となります。

    ・備品消耗品
    厨房内で使用するビニール手袋やラップ、ビニール袋や営業ごみ袋、食器洗浄機の洗剤など
    厨房内で食事を提供するために使用する消耗。
    施設側で準備されるのであれば、こちらの費用は見積りには入りません。

    ・求人広告費 
    入社した従業員が長く働いてくれれば良いですが、いつ退職するかわかりませんので
    その場合の求人広告を出す費用となります。

    ・管理費
    人件費、法定福利費、旅費交通費、保健衛生費、備品消耗品費、求人広告費は毎日必ず必要な経費ですから
    業者の利益として、管理費を頂きます。


    一方で食材費はその現場で実際に提供した食事の材料費です。
    ご請求は、提供した食数×各単価の合計金額になります。

    委託費に差があるのはなぜなのか?

    給食業務委託費②

    食材費の見積りが、材料の質や品数によって差があるのは当然ですが
    委託費に大きく差が出るのは不思議ですよね。

    実は、委託費の差には、勤務体制による人件費が大きく関わります。
    例えば常駐の栄養士・調理師と、パート数名でまかなう現場と
    パート数名だけでシフトを組み、栄養士が時々見に来る現場では大きく人件費に差が出ます。
    代表的な管理パターンは以下の通りです。

    ①A社:正社員を複数名(栄養士・調理師)常駐させ、現場作業(調理や盛付、食器洗浄など)を正社員が行っている場合。
    ②B社:正社員を少人数(栄養士・調理師)常駐させているが、現場作業はパート・アルバイトが行い、正社員は管理業務を行っている場合。
    ③C社:正社員を他の事業所と兼務させ、現場作業はパート・アルバイトが行っている場合。

    では、こちらを踏まえてある現場の見積書の例を見てみましょう。
    30床の有料老人ホームの場合となります。


    A社の見積書の場合

    A社は、栄養士と調理師の正社員が2人常駐している場合の見積書になります。
    栄養士は献立作成や食材等の発注管理などの事務を中心に行い、調理師が食事提供業務を行い、短時間のパートスタッフが盛り付けや洗浄などの調理補助を行います。
    A社の場合は、栄養士・調理師ともに現場(利用者様の食事形態など)を理解していますので、施設からの急な要望などに対応することが出来ます。
    また、調理師がいることで食事の質が上がりますので、利用者様の食事満足度は高くなります。
    ただ、正社員が2名体制ということで、人件費がB社・C社に比べて高くなってしまうのが、難点ですね。
    それでも食事の質を高く保ちたい場合は、調理師がいる業者を選ぶと良いでしょう。

    B社の見積書の場合

    B社は、管理者(栄養士)が常駐している場合の見積書になります。
    管理者(栄養士)は、献立作成や食材等の発注などの事務を中心に行うため、現場には入りません。
    そのため、食事提供業務はパートスタッフが中心となって行います。30床の施設であれば5時間のパートスタッフを1日3交代で配置すれば、業務に支障はありません。
    栄養士が常駐していることで、急な食事形態の変更や献立についての相談など、施設からの要望に瞬時に対応することが可能です。


    C社の見積書の場合

    C社は、管理者(栄養士)が、他の事業所と兼務をすることで人件費を分散させている見積書になります。
    通常1つの事業所だけを管理するところ、2つの事業所を管理するわけですから
    栄養士の業務量も倍になります。

    1事業所に1人の栄養士が常駐していることがスタンダードですから、C社の場合は兼務出来る人材を育てるという企業努力によって、人件費を削減させています。
    ただ、不在にする時間が出てきますので施設からの急な要望や対応をすることが難しいというデメリットがあります。そのため、パートスタッフの指導を徹底し、業務に支障が出ない様にしています。
    ですが、業務に支障が出ずにパートスタッフで現場をまかなうことが出来れば、委託費は安いままB社と同等のサービス提供が可能です。

    ※下記の表は、委託費に対してのA・B・Cの3社の比較表となります。

     食事の内容対応力料金
    A社
    B社
    C社

    介護施設の給食業務委託費はどうやって決まるのか まとめ

    3社を例にとって見積書を載せましたが、皆さんの施設にあてはまる見積書はありましたか?

    利用者様が満足する食事を提供したいという想いは皆さん同じだと思いますが、運営がうまくいかなければ利用者様どころか、会社自体が危うくなる場合も出てくるでしょう。

    食事の質を少し下げても、施設の運営を安定させたいのであればC社を選ぶべきですし、費用はそれなりにかかっても利用者様が満足する食事を提供したいのであればA社。
    食事の質もそれなりで、でもある程度費用を抑えたい場合はB社が良いでしょう。

    また、管理費が極端に安い業者は、食材費から利益を出すために、食事の内容が悪い場合もございますので注意が必要です。
    そういったことも踏まえ、会社の運営状況を見極めて委託業者を選ぶことが大切です。
    委託業者を決める(替える)場合は、たくさんの業者から見積もりを取り、その中で会社の運営状況や運営方針に合った業者を選んで下さい。

    現在新規の事業所の立ち上げを検討されていらっしゃったり
    現状の厨房業務委託先で、気になっている点などがございましたら
    プリサートへお気軽にご連絡、ご相談ください!

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