「1歳半になるのに、うちの子がまだ歩かない…」。そんな不安を抱える保護者の方は少なくありません。
本記事では子どもが歩かない原因や支援の方法、発達の確認ポイントについて、福祉サービスを担う立場からもわかりやすく整理しています。

歩かない=発達障害?必ずしもそうではない
子どもが1歳半になっても歩かないと「何か障害があるのでは?」と心配になる方も多いでしょう。しかし、発達には個人差があり、すべての遅れが発達障害に結びつくわけではありません。
◆発達の遅れがあっても他の成長が順調なら問題ないことも
- 一般的に、子どもは生後12〜18ヶ月の間に歩き始めることが多いとされています。
- ただし、歩行の開始が遅くても、言葉や社会的な反応(目を合わせる、笑うなど)がしっかりしていれば、深刻な問題ではない場合もあります。
発達障害の可能性と見極めのサイン
もちろん、注意深く観察したいサインもあります。以下のような特徴が複数見られる場合は、早期に専門機関への相談が推奨されます。
◆気になるサイン
- 名前を呼んでも反応しない、目を合わせない(社会的反応の遅れ)
- 意味のある言葉が少ない、発語が遅い(言語発達の遅れ)
- 音や光への過剰反応(感覚過敏)
- ハイハイやつかまり立ちの時期が極端に遅い(運動発達の遅れ)
これらは、自閉症スペクトラム障害(ASD)や運動発達障害などの可能性を示唆することもあり、早期の専門的な評価が重要です。
「歩かない」と「歩けない」は違う

この点は非常に重要です。
◆違いを正しく理解しましょう
- 「歩かない」 … 自分の意思で歩こうとしない、意欲を見せない
- 「歩けない」 … 身体的・発達的に歩行が物理的に困難である
歩こうとしていないだけの子どもに対し、無理なトレーニングを行ってしまうと、心理的負担を与えてしまうこともあります。
そのため、まずは子どもが「歩こうとしているかどうか」を見極めることが支援の第一歩です。
歩かない原因は大きく3タイプ
「子どもが歩かない」理由には、大きく分けて以下の3タイプがあります。それぞれ対応方法も異なるため、分類がとても重要です。
◆1. 歩行に直結する診断名があるケース
- 例:脳性麻痺、二分脊椎など
- 理学療法士による継続的なリハビリが不可欠です。
- 筋力やバランスを鍛えるプログラム、補装具の利用など、専門的支援が必要となります。
◆2. 歩行に直結しない診断名があるケース
- 例:自閉症スペクトラム、低緊張、内部疾患など
- 見た目には歩けそうに見えるが、発達の偏りにより歩行に至らないケースです。
- 発達の全体像を確認しながら、支援方針を立てます。
◆3. 診断名がなく、歩かないケース
筋力、バランス、姿勢など、さまざまな要因が複合的に関係している場合も。
1歳〜1歳半を過ぎても歩かないが、診断がついていない
より丁寧な発達段階のチェックが求められます。
歩く準備が整っているかを確認する

子どもが一人で歩くようになるには、いくつかの発達ステップを順に経験することが大切です。
このステップを飛ばしてしまっている場合、歩くための準備が整っていない可能性があります。
◆歩行までの主な発達段階
- ハイハイ
- 四つん這いでの移動
- 膝立ち
- つかまり立ち
- 伝い歩き
- 場所から場所への渡り歩き
- 一人歩き
この流れには、それぞれの動きによって筋力・バランス・体の使い方が自然に育つ意味があります。
いきなり「一人歩き」だけを目指すのではなく、今どの段階にいるのかを丁寧に確認することが重要です。
「歩ける」ための要素:重心移動と姿勢
歩行に必要な要素として、特に重要なのが重心移動とバランスの感覚です。
◆左右への重心移動ができているか?
歩くとき、人は片足に重心を移しながら、もう片方の足を前に出します。この重心を左右に移す動きができるかどうかが、歩行の準備としてとても大切です。
◆確認のポイント
- ハイハイで左右にしっかり体を支えられているか
- 伝い歩きの際、方向転換ができるか
- 支えがなくても少しの時間、両足で立っていられるか
これらができている場合は、自然な一人歩きへの準備が整いつつあるサインです。
家庭や福祉現場でできる支援方法

子どもが安心して「歩く準備」を進められるように、家庭や保育園、療育施設でできる支援があります。
◆理学療法士・作業療法士との連携
歩行の遅れが気になる場合は、理学療法士や作業療法士と連携することが大きな支えになります。
その子どもに合わせた筋力強化・バランストレーニングなど、専門的なリハビリプランを立ててくれるため、早期の相談が望ましいです。
◆家庭でできる取り組み
- 安全な場所でのつかまり立ち・伝い歩きの練習
- 手をつないで一緒に歩く遊び(歌に合わせた歩行など)
- 足元が安定する柔らかすぎないマットでの遊び
- 階段の昇り降りをサポートしながら行う(脚の筋力強化に)
いずれも、「歩かせよう」とするよりも、歩く意欲を引き出す関わり方が重要です。
保護者が気をつけたい心構え
発達には本当に個人差が大きいため、「〇歳までにできないと異常」と決めつけることは避けたいところです。
一方で、気になる点があるなら早めに専門家へ相談することが、子どもへの最良のサポートにもなります。
◆「見守ること」と「早期支援」の両立を
- 無理に歩かせようとせず、子ども自身のペースを尊重
- 気になるサインがあるときは、遠慮せず医療機関や福祉サービスに相談
- 「できていないこと」より「今どの段階にあるか」を大切にする視点を持つ
一歳半を過ぎても歩かない子 まとめ

子どもが歩き始めるには、発達段階を丁寧に踏みながら、「歩ける体」「歩く意欲」を育てていくことが欠かせません。重心移動や姿勢の確認、家庭での関わり方、理学療法士との連携など、多方面からの支援がその子に合った歩行へとつながります。
発達に遅れがある場合でも、適切な支援と理解があれば、子どもは自分のペースで確実に歩みを進めていきます。
保護者の方や支援者の皆さまと共に、その成長を温かく支えていくことが、私たち福祉事業者の大切な役割です。
ご相談やお困りごとがありましたら、当社の支援サービスもお気軽にご活用ください。この記事は福祉サービスを提供する当社が、発達に不安を抱えるご家庭を支える一助となることを願って発信しています。
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