~クックチルを導入するメリット・デメリットについて~
みなさん、こんにちは。プリサートです。
本日は「高齢者施設」「障がい者グループホーム」「保育園」を運営されている法人様、または運営を検討されている法人様向けに、クックチルを導入した場合のメリット・デメリットをお教えします!
まず、メリット・デメリットのお話をする前に「クックチルってなに???」とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明させてください。
クックチルシステムとは…
食材を加熱調理後90分以内に中心温度3℃以下まで急速冷却し、0~3℃で保存、食事の時間に合わせて再加熱し提供する調理方法です。 一次加熱した日から喫食する日を含めた5日間が保管期間になります。 |
更に詳しくは下記記事をご参照ください!
「クックチルのメリット・デメリット」と検索すると、法人様向けの内容ではなくクックチルを始める側(業者目線)の内容しか出てきません。
クックチルの導入を検討されている法人様には関係のない話ばかりで、“クックチルを導入した場合、何が良くて何がダメなのかさっぱりわからない!”となることが多いと思います。
では法人様がクックチルを導入すると、どんなメリットとデメリットがあるのか?
高齢者施設様・保育園様の業務委託及びクックチル配食、障がい者施設様へのクックチル配食を行っている弊社だからわかるメリット・デメリットがあるんです。だからこそブログを見てくださった法人様だけに、この有益な情報を特別に共有いたします。
では本題へ参ります。
クックチルシステムのメリット【宅配サービス】
①コストダウン
クックチル導入にあたっての1番のメリットはコストダウンです。
例えば、20床の高齢者施設の業務委託をしていて1ヶ月の委託管理費が80万だとします。
年間に換算すると960万円の業務委託料を支払っていることになりますが、クックチルを導入した場合、業務委託料はなくなり食材費だけの支払いになります。
下記料金表をご参照ください。
20床の施設の場合、1ヶ月約60万円、年間700万円以上のコストダウンが可能になります。さらに厨房設備のメンテナンスや水道光熱費などの経費も削減になりますのでその効果は絶大です。
※施設の種類や規模により金額に差が生じます。詳細が気になる方はお手数ですが、弊社までお問合せください。
②厨房の設備投資不要(新規施設開設の場合)
今後、高齢者施設の運営を検討されている法人様や新規事業所を増やそうと思っている法人様は、もちろん厨房設備を準備されるでしょう。
厨房設備準備例
・温冷配膳車 ・食器乾燥保管庫 ・包丁まな板殺菌庫 ・冷凍冷蔵庫(数台) ・スチームコンベクションオーブン ・食器洗浄機 ・冷蔵庫付コールドテーブル ・ガステーブル ・シンク 調理台・盛付台 など |
このほかにも必要な厨房設備はたくさんあり、全てを揃えるとなると私の知る限りでは200~300万円程度かかります。
昨今の新型コロナウイルスやウクライナ情勢の影響で半導体が不足しており、商品によっては納期に時間がかかります。また、以前より値上がりしている場合もありますので、もしかしたらこの金額では収まらないかもしれません。
では、最初からクックチルを導入するとしたらどうでしょう?
クックチルはガスコンロやIH、食材を保管できる冷蔵庫があれば食事の提供が十分に可能ですので、高価な厨房設備は必要ありません。言うなれば、初期の設備投資を最小限に抑えられるということです。
ですが、床数の多い施設に関しては温冷配膳車はあったほうが良いでしょう。食数が多くなれば盛付にかかる時間も長くなりますので、温かいものは提供までに冷めてしまう可能性があります。そうならないためにも温冷配膳車のご準備をお勧めします。
③世話人の業務軽減及び改善(障がい者グループホームの場合)
障がい者グループホームの世話人さんの業務量をご存じですか?
実は私も最近知ったのですが、「食事の準備」「金銭管理」「健康管理」「掃除」「洗濯」「服薬管理」「生活相談」など多岐に渡り、これら全てを1人でこなしています。(※入居者が6人までは世話人1人の基準)
食事の準備と一概に言っても、献立作成、買い物、調理、盛り付け、片付けなど「食事の準備」の中にもいろいろな工程があります。ではこの「食事の準備」にかかる負担を減らせるとしたらどうでしょう?
食事提供以外の業務に割く時間が増え、余裕をもって業務にあたることが可能になります。
特に多くの女性は、家でもメニューを考えて買い物して料理して片付けしてと同じことをやらなければなりません。それだけでも軽減できれば心にも余裕が持てるのではないでしょうか。
クックチル真空配食システムのデメリット【宅配サービス】
①食事提供に必要な人員を確保しなければならない
クックチルを導入した場合、食材を配達はしてくれますが、そこまでです。
「温め→盛り付け→配膳」は施設内で行わなければなりません。介護職員であれ、パートスタッフであれ、施設側で人員を準備しなければいけませんので、求人広告費、パートスタッフの人件費、介護職員の時間外手当などの費用が発生する場合があります。
クックチル導入にあたって一番理想的なのは、介護職員が食事提供に関わる業務を普段の業務に組み込むことです。
介護職員で食事提供に関わる業務をまかなえるようになれば、更なるコストダウンに繋がります。
②食材の納品対応をしなければならない
クックチルの場合、配達されてきた食材の納品対応が必要になります。
配達時間帯はある程度融通が効きますが、道路状況や天候によって配達時間にズレが生じる場合があります。
ククックチルの業者が直接施設内に入るわけにはいきませんので施設の入口で受け渡す必要があります。また納品の間違いをなくすために、注文数やメニューの付け合わせをしなければなりませんので、数分は時間を取られます。忙しい時間帯にあたったとしても必ず対応しなければなりません。
③食数や食事形態の急な変更ができない
クックチルは調理した食材を注文数やメニュー・施設ごとに真空包装します。お客様から予め予定食数の注文をいただき、その食数に沿って作業します。
弊社では毎週火曜の12時までに翌月曜~日曜までの食数を注文していただき、3営業日前までは食数や食事形態の変更が可能ですが、それ以降は変更が効きません。前もっていただいている注文書通りに納品し、注文通りの食数でご請求します。注文の締切は業者によって違いがあるものの、締切後の変更に融通が効く業者はそう多くありません。
クックサーブ(その場で調理、その場で喫食)の場合は、当日であっても食数や食事形態の変更が可能ですので、急な対応が出来ないという点はクックチルの大きなデメリットと言えます。
④災害時などで最悪の場合、食事の配達が出来なくなる可能性がある
思い出したくもありませんが、約12年前に発生した東日本大震では皆様も大変な思いをされたと思います。
すべての動力が停止し、生活するのが困難な日が長く続きました。
たとえば今後また東日本大震災クラスの地震が起きたら、水道・電気・ガスなど調理に必要な動力が全て奪われてしまいます。
そうなった場合、全ての動力が復旧するまでは作業することが出来ません。厨房の中だって目も当てられない状況になるでしょうから、片付けにも時間がかかります。
しばらくして調理出来る環境に戻れたとしても、もし車のガソリンがなくなり、ガソリンスタンドでも給油出来ない状況であれば配達は出来ません。
配食業者としてこんなことを言うのは大変心苦しいですが、以上のような要因で配達できなくなる可能性はございます。ただどんな状況であれ、施設としては利用者様がいる以上、食事の提供を欠かすわけにはいきません。
以前私が栄養士として勤めていた施設では、近所にスーパーがあり、災害などが起こった際はそのスーパーが食べ物など協力してくれることになっていました。
しかし実際に災害が起きた際、優先順位は上ではありませんでした。なぜなら一般のお客様もいらっしゃったからです。スーパーを充てにしていたため、施設内にはごく少量の非常食しか準備がなく大変な思いをした記憶があります。
皆様の施設でそうならないためにも、ぜひ十分な量の非常食をご準備頂くことを推奨します。
クックチル真空配食システムを導入するメリット・デメリットについて まとめ
このようにクックチルを導入した場合、メリットとデメリットが存在します。
このブログを最後まで見てくださったということは、少なからずクックチルに興味を持たれた方でしょう。
食材費が高騰し、パート・アルバイトの最低賃金が上がり続けている今、コストダウンを検討されている法人様は多いはずです。しかし、クックチルを導入するとコストダウンになるからといっていろいろな提供方法と比べずに導入してしまうと失敗してしまう可能性もあります。なぜならクックチルは施設の種類や運営方針によって向き不向きがあるからです。
コストダウンのためにも導入したいけど自分の施設には、どの食事提供方法が合っているのだろうとお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
ご相談いただいたからと言ってすぐにクックチルを進めたりはしませんし、その施設様に合った食事提供の方法をご提案いたします。
法人様のお考えに寄り添い、よりよいお食事提供のご提案ができればと思っております。
またこのブログが、クックチルの導入を検討されている法人様に少しでも参考になれば幸いです。
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